郡山市三穂田町千本桜と十三夜塔の旅!
千本桜 郡山市三穂田町下守屋地区にある千本桜。どうして山間の村境に存在するのだろうか。

そこには、村人の熱い想いと願いがあったからである。
◇笹原川水滸伝
奥羽山脈の高旗山を水源として、郡山市と須賀川市の境を流れ阿武隈川に流れ込む笹原川。
この川にかかる明神橋を中心にして、上下約2kmに渡って桜並木が続いている。笹原川は昔から暴れ川で、大雨の度に洪水に見舞われて幾度も被害を受けた。この水害を防ごうと、昭和30年代河川工事が着工。その後、地元有志が桜を植栽したのが始まりです。今では水辺空間事業の一環として、水車小屋やベンチなどもあり郡山の桜の新名所となっている。


三穂田千本桜と水陸話千本桜
桜の名所である開成山公園が満開の時、郡山市の南西部に位置する三穂田の千本桜は、八分咲きである。その距離にして約18km程度だが、丁度見頃は一週間遅れとなる。この桜並木道には、阿武隈川に流れ込む笹原川が流れており、満開の桜の枝が水辺に垂れて一段と風情があります。

「千本桜」
何処か、のどかで美しい笹原川リバーサイド

市街地から約22kmほど離れた上流域になるが、昔は高旗鉱山から流れる鉱毒の影響か水に活きる昆虫や魚類は少なかった。しかし、戦後に鉱山は封鎖されて今では生き物たちが蘇り戻ってきている。


夜桜「川の役目」
■川は「曲がるほど豊かになり」「生き物」と「人間」がいて、初めて三つの要素が成り立ち川となる。詰まり、曲がりが有れば淵もできるし深みもできる。そこにはいろんな魚類が居着くようになります。最近の河川改修みたいに川底を平地に均してしまっては、水棲昆虫が急流に押し流されて生息できなくなってしまいます。

■水棲昆虫がいなくなると、食物連鎖で小魚類も居なくなってしまうのです。笹原川は、山間部に位置する事から人間環境の排水を殆ど受けていません。このために、街場の桜並木とは全く異なりクリアな水質の中で活き活きとしています。

笹原川ガサガサ探検?
■ガサガサ探検とは、水辺のガサヤブを足で掻き回して小魚を追い出す事ですよ!ビックリして飛び出したら網で捕獲する。もちろん喰う為でも遊び半分でもありません!水中の動態観察をする為なんです。

桜見物の方を尻目に、チョッと葦際の中を覗いたらクチボソやオイカワがたくさんいましたよ!今では希少生物になったアカザやイモリも確認した!水辺の葦際が、寝床のようだった。葦の根は、水中酸素を発生させて水質浄化作用がある植物だ。魚たちは、習性とは言え其れを知っていたのである。

川の汚染度を、理化学的に観察するよりも、そこに生息する生き物たちに聞いたほうが確実なんです。言葉は話せなくても、川底と川藻を観察するだけで的確に判断できます。






妙見山と神社「農業の神が宿る妙見山」
■六地蔵の肩越し見えるのは、
妙見山777m)である。
この山の尾根が、須賀川市と郡山市の境になっている。今では、日帰りのトレックコースにもなっているが、山頂には立派な飯豊和気神社
(昭和56年新築)が建っていた。その後ろ手に三角点。この山の飯豊和気神社の祭神は息長足姫命、御饌津命、妙見尊である。

延喜式神名帳に載る古い神社らしい。御饌津命は穀物神、農業神でもある。
今年は424日が、神社のお祭りだ。これからは新緑の季節。桜見物と石仏めぐり。時間があったら、安積野を望む妙見山周辺の山ををトレッキングするのもいいでしょう。


■トレック時間は、往復約二時間程度です。
参道まで車が入りますので、軽装備でOK。


「昔を偲ぶ石仏と農家の守り神」六面地蔵
■桜並木R29バイパスの橋を、100m前後南に進むと交差点手前右側に石仏がある。
寛永時代のものなのか、六面地蔵がある。この辺りは昔、会津に抜ける守屋の宿場だった。今では諏訪峠に至る街道もヤブに囲まれて廃道になってしまったが、旧街道沿いには幾つもの
十三夜塔がある。


13夜塔峠を越える旅人。
疲れ果てて、ようやく峠越えを果たした旅人。其々の想いを胸に投宿したのだろう。それ故に、この周辺の村々には昔話が尽きることなく存在する。

十三夜塔傍らの農家で聞いた話だが、長沼城があった頃には近くのお寺には、行き場の無い悪人ばかりが寄せ集まっていたそうだ。寺の住職が、説教の中で語り教えて更生させようとしていたのかは定かでないが。その他にも、宿場町ならではの面白いお話が満載です!
これからは新緑の季節。旧宿場街道を、ブラリ歩いて歴史の扉をのぞいて見ましょう。もちろん疲れたら、のんびりと大露天風呂を満喫!ゆっくりと森のコテージに宿泊するのもいいでしょう。
和洋折衷40年の、柴田シェフお勧め料理を味わうのも乙なものです!